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2017年8月21日

阿武野中学校区小中学校教職員 人権研修会 『現代の子どもの置かれている状況とこれからの教育について」

【開催日時】 平成29年7月20日(木)

【主な内容】

 【1】人権教育にかかわってきて学んだこと

   ※人は、言われるだけでは、理解できない・がんばれない!

   ※子どもの人権意識が育つときは?

   ※私の人権教育の原点 (「生活と思いを語る」ことの意味)

    *在日韓国・朝鮮人生徒との出会いより

    *同和地区に居住する生徒との出会いより

    *教師の仕事とは?

   ※私の子育てより

 【2】なぜ、教育も子育ても難しくなってきているのか?

   (1)海外から日本の教育の課題を見つめて見えてきたこと

    ※日本で子どもが育ちにくくなっている原因

     *昔は、「一生懸命に!・義理と人情・人様に迷惑をかけない!」という共通の価値観があり、子ども たちは、大きくなったら、社会のため、人のために役立つ人になろう、と感じていた。

     *大人たちの社会を良くする運動や活動が少なくなり、「価値観の多様化」と言われるようになっているが、それは、「その人が良いと思えるなら、何でも良い」というような考え方であり、「よりどころとなる価値観がなくなっている状況」である。だから、子育ても難しいし、子どもたちも、本当は何を大切にすべきなのかわからない状況になっている。

   (2)子育てに悩む人が増えてきている理由

     ①子育ては、母親が一人でできるのか? (NHKスペシャルの番組の紹介)

     *最近科学で徹底解明 「母」の謎に迫る

      人間の祖先であるサルは、母親が一人で子育てできていたが、大脳を大きくした人間は、極めて未熟な状態で子どもを産むようになったので、小集団で協力して子育てをするように進化してきた。日本では、数十年間の間に、核家族化が急速に進み、母親が一人で子育てをせざるをえなくなっている。だから、子育てに抱き、子育てに困っている親が多いのは、当然のことである。

   ③不安定な愛着スタイルの子どもや大人が増えている

    *愛着に傷がつき、癒されていない親が増え、その結果、人間関係に悩む子どもが増えている。(詳細は省略)

 【3】最近の若者の意識の変化について (平成26年度版『子ども・若者白書』より)

 【4】これからの時代を生きるのに必要な力とは

   (1)企業が求める人材とは

(2)「生きる力」を育てるためには、どうすれば良いのか

【5)コーチングとは どのようなものか

 

【感想より】

 * お忙しいなか、講演していただき、ありがとうございました。とても勉強になりました。同和教育の話では、泣きそうになるぐらい、頑張ろうと思えました。カメやウサギの話も、非常に興味深いもので、もっと知りたいなと思いました。お話の節々で一貫性があって、私もこんな風に語れるようになりたいです。最後のテクニックも、夏休み明けに使って、頑張っていこうと前向きになれました。本当にありがとうございました

 

* 愛着の問題についての話は、非常にわかりやすかったです。施設に措置された子どもの声を毎日聴いていて、感じていることと同じでした。虐げられた子は、やさしいです。中学生になっても、心を癒せるのではないかと思います。人間の母親が、母親になれるのは、子どもを育てることで、より人間として、母としてそだっていくことだと思いました。ゲーム依存の話も、非常に参考になりました。子どもが、できるだけ早い時期に、自分の傷ついた思いを語ることができるなら、傷は少しずつ癒されていくと思います。

 

* 日本人には「よりどころとなる価値観がない」という点を、私も強く感じています。「価値観の多様性」という何だかポジティブなイメージを与えられてきたんだなァと、はっきりわかりました。アメリカで3年間住んでいましたが、「あなたの※ロールモデルは誰?」と、子どもたちによく聞きます。子どもたちは、自分の親であったり、身近な人であったり、自分が将来なりたい人間像を、小さい頃からイメージできています。目の前にいる子どもに、この質問を、ちゃんと聞けるように、日々、頑張っていきたいと思います。今日は本当にありがとうございました。

※ロールモデルとは自分にとって、具体的な行動や考え方に規範となる人物のこと。

 

* 先生の現役時代のお話から、日本人学校時代で感じられたこと、自身の子育ての話まで、多くのお話をおうかがいさせていただいたことで、現代の日本の子どもが置かれている状況が、非常によくわかりました。余談になりますが、私もバンコク日本人学校で3年間勤めてきました。先生がお話されたように、日本の良さをたくさん実感することができました。また同時に、日本に足りていないこともたくさん感じました。日本の置かれている現状、子どもたちの状況を、しっかりと把握し、夏休み明けからも、努めていきたいと思いました。本日は、本当にありがとうございました。

 

* 多様な視点から、現代の子ども像に切り込んで話していただけたので、子どもに対する理解が深まりました。学校現場では、「なぜこの子たちは、こんなに響かないのだろう」と悩むことが多いですが、今日学んだ内容を活かして、あきらめることなく、取り組んでいきたいと思います。本日は、本当にありがとうございました。

 

* よく聞く話が多かったですが、川西中学校の話は驚きました。昔は、・・・というより、身近にそんな協力できるPTAがあるとは、驚きと同時に、うらやましいなと思います。自分が小学生の頃は、学校で、夏祭りやとんど祭りがあって、大人と関わる場面が多かったですが、今は、減っているんだろうなと思いました。

 

* 様々な背景を持つ子どもがいるなかで、自己肯定感を高め、未来を考えて生きていく力をつけてあげる必要があると感じます。多様化しているにも関わらず、自分との違いを頑なに受け入れず、攻撃してしまう子どももたくさんいます。クラスづくりのなかで、自分のことを安心して話せる、受けとめ合える環境、雰囲気を、いかに私が先頭に立って作っていけるかが、今後、今日お話しいただいたことを念頭に置きながら、取り組んでいく課題だと感じました。ありがとうございました。

 

* 国によって「ウサギとカメ」のお話しの教訓が異なっているお話が、とても面白いと思いました。日本の良いところもあるけれど、共通の価値観が薄れていて、個性や価値観の多様化に逃げている(?)ということが、すごく共感しました。教師だけで抱えきれない課題も多いので、もっと支援を充実させてほしいと思いました。

 

* 前半のお話は、自分が高槻で児童や生徒だった時代の話で、自分の周りにも起こっていたので、今、大人になってもう一度考えるチャンスになった。ひとつひとつ、もっとくわしく聞けたり、解決策を見出したときの例などを、もっと知れたらうれしいです。プラス思考は、とても良いと思います。「怒るのではなく、叱る」は良いです。「私メッセージ」をやってみようと思います。コーチングの話を、もっと聞きたかったです。本日は、本当にありがとうございました。

* 昨年度まで富田小学校で勤務していた者です。昨年は、6年生のKのことで、お世話になりました。その後のKの様子が、大変気になっています。家庭のしんどさ、生活の不安定さを抱えている子どもに対して、学校はいったい何ができるのか? とても考えさせられました。阿武野小学校の子どもたちと向き合って、実践していきたいと思います。ありがとうございました。

*  先生の経験から、色々な視点でお話ししてくださり、とてもわかりやすかったです。現代の子どもの置かれている状況をふまえて、価値観の多様化などのなかで、子どもとの関わり方を考えていく時間となりました。ありがとうございました。

 

*  私のクラスにも外国にルーツを持つ子どもがいるが、そこをあえてクローズアップするべきなのかは、悩み中なので、最初の話は、少し考えさせられました。ありがとうございました。

 

*  子どもの行動の背景にあるものを考えるための良いきっかけになりました。レジメを読み返し、これからの子どもたちとの関わりに活かしていきたいと思います。ありがとうございました。